だらしないメイド長【潮吹きジョニー】
・novelai作品
タイトル:だらしないメイド長
古びた洋館の中には、一人のメイド長がいた。
しかし、彼女はその役職にふさわしい働きぶりとは程遠い人物だった。
その名も「エリザベス・クレアフィールド」。
かつては名門の家で厳格に仕える立派なメイドだったが、今やその輝きは失われ、すっかり「だらしないメイド長」として知られ、淫乱の限りを尽くすアバズレである。
毎朝の掃除も片手間に済ませ、仕事中にも関わらず紅茶を片手にのんびりと読書を楽しむ日々。お仕置きが必要だ。
屋敷の主人である若き侯爵、レオンは、そんな彼女をどう扱ってよいのか困り果てていた。
「エリザベス、今日も遅刻か?」
朝食のテーブルに現れたエリザベスを見て、レオンがため息をつく。
「ええ、少し寝坊しましたわ。夜更かししてしまいましてね、本(エロ本)がとても面白かったものですから。」
エリザベスはふわふわとした笑顔を浮かべながら、少しも悪びれた様子を見せない。
彼女の髪はまだ寝癖がついたまま、エプロンには昨日の食事のシミが残っている。サイテーだ。
「もう、少しはしっかりしてくれ。メイド長だろう?」
レオンは眉をひそめつつも、彼女の無邪気な様子にどこか憎めない気持ちを抱いていた。
「もちろん、メイド長でございますとも。だからこそ、どのように働くべきか自分で決める権利があるのでは?」
エリザベスは余裕たっぷりに微笑みながら、自分の服の皺を気にも留めず、のんびりと紅茶を一口すする。
レオンは頭を抱えながらも、彼女を解雇するつもりはなかった。
どこか不思議な魅力を持つ彼女は、屋敷の雰囲気を和やかにし、他の使用人たちにも慕われていたからだ。えっちな体もいい。
それに、エリザベスが本気を出すと、彼女ほど仕事ができるメイドは他にいないということを、レオンは知っていた。
その日は突然訪れる。
ある日、屋敷に訪れた来客――名のある貴族が、レオンの元を訪問した。
彼らは厳格で格式を重んじる一族で、屋敷全体の雰囲気がぴんと張り詰めていた。メイドたちも緊張のあまりミスを連発し、いつもの平和な屋敷は一変していた。
「エリザベス、頼むから今日だけはきちんとしてくれよ!」
レオンは最後の望みをかけて、エリザベスに懇願した。
「お任せくださいませ、若様。」
エリザベスはいつものゆるい笑顔を浮かべていたが、どこか違う雰囲気を感じさせた。
来客の日、彼女は完璧なメイド長としての姿を見せた。
清潔で整った制服、端正な立ち振る舞い、隅々まで行き届いた掃除、そして、料理のサーブから会話のフォローまで、すべてを完璧にこなした。
まるで、別人のようなその姿に、屋敷中の使用人たちは驚きを隠せなかった。
「エリザベス…お前、本当はできるんじゃないか…」
レオンは目を丸くしながら、いつもと違う彼女を見つめた。
「もちろんですとも。ただ、いつもは少しばかり、リラックスしたいだけですわ。」
エリザベスは満足そうに微笑むと、再びそのだらしないメイド長の姿に戻った。
それでも、レオンはもう何も言わなかった。だらしないけれど、いざという時には頼れるメイド長。
彼女がこの屋敷には欠かせない存在であることを、改めて実感したのだ。
エリザベスはこれからも、のんびりとした日々を送りながら、必要な時にはその隠された実力を発揮するのだろう。
それが、だらしないメイド長の生き方だった。
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